不良の有岡について。
二人も連れてくれば良かったかもしれない。
人が多くてどこにいるのか、全く分からないし、見えない。キョロキョロしていると、人にぶつかった。
「すいません。」
「こちらこそ…って、可愛いね。」
かき氷、溶けないと良いな。早く見つけないとメロンシロップ水になってしまう。
人ごみをよく見る。女子の視線を集めているのが有岡である、はず。
「おーい、無視?つか、荷物多いね。友達と来てんの?」
「え?」
視界に、さっきぶつかった男が映る。アロハシャツみたいな濃紺を着ていた。
なんだろう、有岡と比べてしまう自分が居る。