不良の有岡について。
弟は去っていく男の背中を睨んでいた。…男らしくなったなぁ。
「早速絡まれてるし。」
「ちゃんと断ったのにね。」
「断るんじゃなくて、ああいうのは全身拒否すんだよ。」
ひょい、とかき氷を持って貰った。
有岡の背中を追って、私も歩き出そうとするけど弟が腕にしがみついてきた。
「疲れたの?」
「持つ!」
焼きそばが入ったの袋のことを言ってるらしいけど、これはちょっと重い。三パックも入っているし、内二つは大盛だし。
「持つ!」
有岡の真似をしたくなったんだろうか。そう思うと、笑ってしまって、ビニールの片方の持ち手を差し出した。