不良の有岡について。
ヨテイハミテイ。
─────はずだった。
「おねーちゃん!」
幼稚園に行くと、弟が滑り台で遊んでいた。てっぺんからスーっと滑ってこっちに手を振る。
私が迎えに行くまで、弟は幼稚園の先生に見て貰うことにしてもらっている。
「今日のゆうはんは?」
「チーズチキンカツ。キャベツの繊切り、豆腐のお味噌汁と…。」
「すげー豪勢。」
「そうか、…な?」
ふと顔を上げた。まさか、と思いながら。
神様は悪戯がとても好きらしく、最後だと思っていたものに続きを与える。
弟と手を繋ぐ有岡が居た。