不良の有岡について。

今朝は学校がある日と同じ時間に起床したからかもしれない。眠りの世界に落ちようかと思った時、後ろ首を掴まれた。

過去の一点を思い出す。

すぐに頭を起こして、警戒心剥き出しにする。


「何もしねーから、海行かね?」

「…いえ結構です。」


断ったはず、なのに軽々と抱き立ち上がらされ、手首を引っ張られた。

世の中の男は、何故こんなにも聞く耳を持たないんだろう。


「行かない泳がない絶対に。」

「なんだその薬物のホームページに書いてありそうな言葉は。」

「嫌なんだってば!」


私が足を止めた。



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