不良の有岡について。
叫んだり、抵抗したり、慣れないことをして疲れた。元々、眠かったし。
「疲れた。」
有岡の耳は冷たい。見てみると、ピアスだったことが分かった。
「ごめん。」
何も、有岡が謝ることじゃ…あるか。
「ねえ、有岡。キスしよっか。」
「…は?」
「私、全然冷めてないよ。」
今はさっきと違って、私の方が優位。両手も自由。
顔を見合わせるように向き合うと、有岡が困惑したような表情を見せた。
「哀河、ごめん。」
「もう謝んなくていいってば。大丈夫だから。」
「お前のこと、少し見くびってた。」