不良の有岡について。
スコヤカニヤサシイ。
電車の中で、私と有岡の間に座った弟は爆睡していた。笑ってしまうほど、頭をグラグラさせながら。
「すっごい日焼けしてる。」
「これは、今日の風呂が辛そう。」
有岡も座席に寄りかかりながら笑っていた。
夕日を後ろの窓から受ける有岡は少し格好良かった、気もする。
「今日はついて来てくれてありがとう。」
「こちらこそ。」
「お礼に夕飯を食べていってください。」
「頂きます。」
車両内も、海から帰ってくる家族連れが多かった。
母親に抱っこされる子や、父親と手を繋ぐ子、おんぶされている子。