不良の有岡について。
私の食費と生活費は、父親から毎月送られていた。もしかしたら、少しは心配していたのかもしれない。
汚いリビング。子供のおもちゃやら、洗濯物やら、鞄やらが散乱している。
その中からテレビを点けようとリモコンを探していると、玄関の扉の鍵が開く音がした。
夜の九時。
私はリビングの入り口から少し玄関の方を見た。あの人、一人だけが靴を脱いで玄関に横になっていた。
最近、酔って帰ってくることが多い。
子供が居ない、と思って近づく。まだ外に居るのかと思った。
「あの、子供は?」