不良の有岡について。
早速ヨリを戻し始めたのだろうか。
私には関係ない、か。
使える教室を探しに、旧館の中を歩く。講座に使ってる教室は少なかったけれど、鍵の空いてる教室しかない。
廊下の端っこまで来て、中央階段に戻るのが面倒だから、非常階段を使うことにした。
思えば、私がいつも一人の時にお昼ご飯を食べている場所だ。
扉を開けて下る階段が先に目に入った。
「…、」
そこには、有岡と由比さんが座って居た。
ただ座っていたわけじゃない。私にしたように、有岡が由比さんの顎に手を添えて、唇を重ねていた。