不良の有岡について。
ヒーローフザイ。
逃げられない。
「哀河は、どうなんだよ?」
「…。」
黙ったのは嫌いだからじゃない。
どう答えたら良いのか、分からなかったから。
有岡はそんな私に溜め息を吐きながら言う。
「じゃあ、質問変えるけど。どうしたら、哀河は俺の気持ちを認めてくれんだよ?」
「どうしたらって…。」
「愛してるって百回言ったら?キスしたら?セックスしたら?それとも婚姻届書いて持ってくれば良いのかよ?」
スラスラと出てくる言葉にたじろぐ。
「言えよ、何でもするから…。」
私の肩に顔を埋める有岡。