不良の有岡について。
ふわりと鼻をくすぐる香水の香り。私を少しだけ安心させる。
そこまで言って、有岡は後悔しないのだろうか。
私は背中に手を回した。
「…さっき、なんで由比さんと一緒に居たの?」
耳に唇を近づける。ピクリと体を震わせた有岡がそのまま話す。
「…そういえば、それを言いに来たこと、すっかり忘れてた。」
「理由言ったら、キスして。」
「……あ?」
耳を疑ったらしい有岡が体を離して私の顔を覗き込もうとした。慌てて手に力を入れる。
気持ちを汲み取ったらしい有岡は、体勢を戻して話し始めた。