不良の有岡について。
「キスしないと、別れないし付きまとうって言われて。」
「うん。」
「…いきなり振った俺にも非はあるから。」
有岡も、不良なりに誠意を見せたらしい。
それで、あそこで、あんなことを。
溜め息を吐きたいのはこっちだ。
顔に手を添えられて、唇を重ねる。私も有岡の肩に掴まる。
口を割って入った舌が、今度はゆっくりと私の舌を追った。
「ん、う。」
「誘ってんの?」
「ちが、」
「じゃあ認めろよ。」
ボタンを開けていたワイシャツをぐいっと掴まれて寄せられる。一瞬破る気なのかと恐れたけれど、そんなことしなかった。