不良の有岡について。
もきゅもきゅ、とソーダメロンパンを口に入れていく廿楽はあれみたいだった。
冬眠前のクマ。
廿楽は最初は食べながらも怒ってるみたいだったけど、食べ終わる頃にはもう眉間の皺は無くなっていた。
甘いカフェオレ、と書かれたパックにストローをさして飲んでいく。あっという間に昼ご飯が消えた。
「…さっき、有岡と居たの?」
ドッキーンと心臓が凍った。
え、私なんか言ったっけ。それより何より何故廿楽の口から有岡の名前が?
固まっているのを肯定ととったらしく、廿楽は溜め息を吐きながら机に突っ伏した。