不良の有岡について。

あれ、また怒った?

最後の一口を口に運びながら様子を窺う。


「さっき、有岡とすれ違った時、謝られた。」

「…そーなんだ。」


大凡、この前の食堂でのことだと思う。

何で有岡も急に謝る気になったんだろう。


「哀河は有岡と付き合ってるの?」


痛い所に踏み込まれた。

廿楽が上体を起こしてこちらを見る。真っ直ぐな視線。

その質問に答えられなかった。


「まあ別に、付き合ってようとなかろうとさぁ。」

「うん。」

「有岡って、金持ちじゃん。」


…へ?と私の口が間抜けに開いた。



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