不良の有岡について。
繋ぐというより、手の甲を掴まれるような握り方。
「だって、哀河は無関心だけど。あたしのこと、ちゃんと気にしてくれるじゃん?」
「そんな、当たり前でしょ…。」
「当たり前だから、言ってるんだよ。
哀河が有岡と今付き合っても、幸せになれないよ。」
廿楽が、ただ有岡が嫌いだから言っているわけでは無いことは分かる。
私は、微笑む。
廿楽と一緒に居ようと思ったきっかけは、去年の冬。一年の時は交流は無かったんだけど、委員会が一緒だった。
こんな形でこんな態度。でも、仕事はちゃんとするその姿を見て顔だけは覚えていた。