不良の有岡について。

昼休みギリギリで、教室に入る。

怒田が机に突っ伏して眠っているのを見て、珍しいなと思った。


「アイツ、授業中もずっと寝てね?」


有岡が私の席に座っていた。視線の先にはやはり怒田。


「よく見てるね。」

「話しかけようにも寝てるとな…。」

「有岡にそんな気遣いができたとは。」

「あ?」


嘘、と笑ったら頬を引っ張られた。痛い痛い。

有岡は立って、私に席を返してくれる。丁度、チャイムが鳴った。



< 177 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop