不良の有岡について。

身の危険を感じて、捩る。
結局有岡と向き合う格好になってしまったのだけど。


「え、合意?」

「してません、今すぐそこ退いて。夕飯作れない。」

「そういや、哀河は進路どうすんの?」


話題変換の巧みさ。有岡はそれを生かしてホストにでもなればいい。

同時に、ついこの間配られた進路表が脳裏に甦る。あれ、確かまだ鞄の中のファイルに挟んであったはず。

ぎゅう、と抱きついてきた有岡は、なんだか大きい子供のようだった。

色の抜けた髪の毛を撫でる。


「就職。」

「へ?」

「ん?」


お互い変な声を出し合った。




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