不良の有岡について。
おはよ、と最寄り駅の改札を抜けてすぐに後ろから声をかけられた。
「おはよう廿楽。」
「聞いてー、ショーへーがねー。」
ショーへーとは廿楽の彼氏らしい。他校でかなりモテるということしか私は知らない。
廿楽の惚気兼愚痴から想像するに、すぐに女子とイチャイチャするだらしない男らしい。
最初にそれを聞いた時、別れたら?と私が提案して、別れ話をしに行った廿楽はヨリを戻して帰ってきたことがあった。
それからは、私は口出ししていない。
「…でね。もう有り得ないよね?」
「そうだねー。」