不良の有岡について。
眉を顰めながら、弟は怪訝な顔をこちらに向けたけれど、すぐににこりと笑った。
冷蔵庫の方からガサゴソと音を立てている。多分アイスを持ってくるのだろう。
私も、小さい時はあんなだったのだろうか。
血は繋がっていないから、やはり違うのかな。
弟には、あの女の血が流れている。そんなこと、考えても何も変わらないのに。
「はい。」
「お、サンキュー。」
「ありがとう。」
腕が解除されて、そのアイスを受け取る。
首が解放されたところで、次は弟が首に巻きついてきた。
「なに?」
「おねーちゃん」
ぎゅう、と力が入るその腕に、私は再度、決心をした。