不良の有岡について。

こーゆー性格の廿楽は、去年も今年もクラスの女子に嫌われている。と、本人が言っていた。

通学路の階段を下りながら、廿楽が私を振り返って見る。首を傾げてみると、うふふと笑った廿楽。

「うん?」

「哀河の無関心さがいつも通りでホッとした。」

「酷い言い様。廿楽、それより校門の前で先生がこっちガン見してるよ?」

ムンクのように口を開けながら、ゆっくりと振り向く廿楽。

どうやら風紀の先生から睨まれているらしい。

「廿楽って、自分から敵を多くしてるよね。」

そう言うと、拗ねたように頬を膨らませた。



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