不良の有岡について。
呆れた声が聞こえてから、俺もサボりたい、という言葉が聞こえた。本心はそっちなんだろう。
「だから、弟のお迎えも行かなくて大丈夫だから。」
『普通逆だろ。具合悪いなら寝てろよ。』
「さっき自分でサボりって言ったんでしょう?」
何かを誤魔化そうとしているのを感じたのか有岡が考えるような間を取った。
その後ろでチャイムが聞こえる。
「じゃあ後でノート貸してね。」
多分、一限目はぐっすり眠っていたであろう有岡に対して言う。そして、私が多分休み明けにノートを借りるのは怒田だと思う。
そんな風に思いながら、電話を切った。