不良の有岡について。
サミシガリトヒトリジメ。
有岡に引っ張られて着いた先は、高層マンション。
「どこ、ここ。」
尋ねると、何でもないように「俺のとーさんの家」と言う有岡。
そうだった、この人お坊っちゃんなんだった。
「で、今は俺が住んでる家。」
「じゃあ普通に、俺の家って言えば良いんだよ。私だって自分の家は私の家って言う。」
「俺の家。」
言い直した有岡は等なんだか少し照れくさそうで、笑った。
有岡の家は最上階近くで、エレベーターであっという間に着く。
「一人暮らし?」
「まあ、確かに。」
「あ、でも電話かけた時にでた人も一緒に住んでるの?」
ああ、あの人。
玄関が開けられて、中が見える。綺麗な床と明るい灯りが目に入った。
眩しい。
「ただいま、深沢さん。」
「おかえりなさいお坊ちゃん、あらご友人…女の子ですか?」
「見ての通り。哀河の分の夕飯ある?」
「今日は夕飯こちらで食べるんですか? では簡単なものを作りますね」
お祖母ちゃん…? にしては、なんか。
もしかしてお手伝いさんみたいな人だったりして。
目をパチクリさせる。