不良の有岡について。
まるで仕返しだというように内腿と胸を撫でられた。驚いて悲鳴に似た声をあげた私に有岡が囁く。
「俺が優しくしてる間は甘んじて受けた方が良い。」
「脅迫?」
「そう、愛の脅迫。」
「軽い。」
「軽いのを何回も重ねるつもりだから。」
満足気な有岡の笑顔が見れた。
私はそれだけでホッとする。
「有岡、好き。」
「知ってまーす。可愛い哀河さん」
可愛くないけど。言われるのは嬉しいから甘んじて受け入れる。
私たちの愛は軽くて薄っぺらい。私は勝手にそう思うことにする。
だから、沢山重ねて行こう。
「じゃあ今日はこのまま静かに眠ろうね。」