不良の有岡について。
え、なに?
と顔を見上げる前に上履きの名前を見た。
「おはよっつってんだけど、さっきから。」
抑揚の無い声。有岡は未だ眠たいのか、ダルそうに発せられた。
「おはよ、う。」
驚いて、流れで挨拶を仕返す。
それだけ言うと、さっさと自分の席へ戻って行った。
昨日、有岡はかなり深い眠りについた後、欠伸をしながら家へ帰った。遅かったから、家へ電話を入れた方が良いかと聞いたら、ケラケラ笑われた。
「小学生か。」
「でも心配してるかも。」
「不良なのに?」
笑って言った。