不良の有岡について。
ちょちょちょっと!
「哀河、突っ込み面白い。」
「褒められてる気がしない。」
「別に褒めてるわけじゃねえけど。やばい、ちょっと哀河。」
ぎゅう、と肋骨が折れるかと思うくらいの力で抱きしめられる。流石にボキっと鳴りそうだったので腕を叩く。
それでも緩まない腕に降参をする。
有岡の鎖骨をざらりと舐め返してやった。
びくりと体が反応した有岡がこちらを見て、驚いたような呆れるような顔をした。
「痛いんだけど。殺すつもり?」
「いや。抑えられなくなった欲をぶつけたろうかと。」
「殺意ですか有岡クン。」
ピピピピピピピと目覚まし時計のような音がして、有岡が下に置いてあった時計のボタンを押して止める。もう七時。休日だから、学校に遅れるという心配はないけれど、お腹がすいた。
私はいつも食パンを食べながら洗濯機をまわしている。
「深沢さんは朝来ないの?」