不良の有岡について。

私と弟は似るところがあるだろうか。


「これ干したら、帰るね。」


バスタオルの皺を伸ばすことを教えたら早速きちんと伸ばす有岡が、顔を出した。

少し考えるような顔をしてから、頷いて「送ってく。」と一言。

「ありがとう。」

と返すと、返事はなかった。聞こえなかったのかもしれない。

空は青くて、洗濯日和。深沢さんがこの家に来て驚くだろうな、と思って笑った。




自然と手を繋いで、二人で住宅街を通って帰る。

そういえば、昨日は学校をサボったんだった。そのときに何か有岡にあげようと思っていたものを鞄から出す。


「安物なんだけど。有岡に似合うと思って。」


小さい袋に入ったそれを受け取る有岡。



< 223 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop