不良の有岡について。
カサカサと開けて、少し顔を輝かせたように見えたのは私の気の所為か。
「気に入った。」
「判断早いね。」
笑うと有岡も笑う。そして家の前で止まった。
「あがってく?」
「いや、弟見たら帰」
どんっと人間がぶつかる音がして、下を見る。
キラキラとした笑顔を見せた弟の姿。
一日見ていないだけなのに、すごく久しぶりに会った気持ちになる。
「おかえり!」
「ただいま」
声を揃えて返事をした。
「弟、一人?」
「うん、おるすばんひとりでしたんだよ」
「流石だな」
ぐしゃぐしゃと頭を撫でられた弟は嬉しそうに抱きついた。