不良の有岡について。

結局有岡も一緒に夕ご飯を食べた。


「昨日は何食べたの?」

「ハンバーグとね、ショートケーキ!」

「良かったな、でも姉の料理の方がおいしいだろ。」

「あね?」

「おねーちゃんのこと。」


弟が私を見て考える。あ、考えちゃうのね。そこは即答で頷いてほしいところだったというのは心に秘めておく。

そんな様子を見て有岡がくつくつと笑う。

「いいしょーぶ。」

「どこでそんな言葉覚えてくるの。」

「せんせーがいってたよ?」

安藤先生…と呟く横で、姉貴…と呟く有岡。

好きなテレビが始まって、弟が静かになる。私も有岡も一緒にそれを見るのが習慣のようになっていた。

ちゃらららーん、とエンディング曲を口ずさめるようにまでなってしまった。



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