不良の有岡について。
フリョーノアリオカニツイテ。
ぺちん、と頬を叩く。
眉を顰めた後、うっすら目を開けるのを見てキッチンの方へと戻る。
目玉焼きを焼いて、付け合わせのサラダを盛り付けた。
ふあ、と欠伸をするのが聞こえて後ろをぎょっと振り向くと、有岡が居た。
いつの間に。
「おはよう。」
「おはよ。」
「学校のもの家でしょう? 朝ごはん食べて帰る?」
いつもより早い時間。
朝日はまだ顔を覗かせていない。
「そうする。」
まだ眠そうに言った有岡がこちらに近づいた。
唇が頬を掠めて、少し顔を見上げる。
「一人で全部背負いこむなよ。」
「背負ってないよ。」