不良の有岡について。
「そっかあ、昨日の夜激しかったのかなあ」
その言葉に飛び起きたくなる。
この前寸止めを食らった俺の気持ちは誰にもわかんねーよ。
小さく溜息を吐く。窓から入る丁度良い風が襟足を擽る。
六限目は寝ないようにしているから、今のうちに眠っておこう。
弟の姉貴を待つ背中が、昔の自分と重なる。
俺は今、哀河の弟の隣に居ることで、きっとあの時の自分の隣に居るつもりで居るんだ。
あの小さな背中が姉貴を待ってる。俺じゃないのは知ってる。
それでも俺の勝手で、一緒に居るだけだ。