不良の有岡について。

コアラですかナマケモノですか。

どっちでも良いか、と思いながら頭を撫でようとすると、顔がこちらを向いた。


「私より胸囲ある…」

「え、そこ?」


まだ気にしているらしい。

何かを考えながら哀河は靴を脱いで玄関へあがった。

来ないの? という視線が向いて、俺もあがる。

リビングで仲良くテレビを見る。気に入ったのが無いのか、チャンネルひピコピコまわす哀河に何気なく言った。


「DVD見るか?」


その問いに思い出したように口を開く哀河。


「…由比さんと、どんなの見たの?」


棚に入っていたボックスを開ける手が止まるに足る言葉。



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