不良の有岡について。

末期だと思った。


「俺はお前のそんな狡さすら愛おしいよ」


手をかけたソファーがぎしりと軋む。背もたれとその間に居る哀河にキスを落とす。

そんなこと言うなら怒田は兎も角、廿楽とか弟にまで嫉妬してた俺はなんだっていうんだよ。

舌を入れて咥内を貪る。

それから抱き上げると「お、おろして!」と悲鳴に似た声をあげるので、さっさとベッドに下ろした。


「有岡、」

「ん?」


上に着ていたパーカーを脱ぐ。

また由比の話題だったら足の裏を擽ってやろう。


「好き」

「知ってる」


哀河はあまり、重い言葉は欲しくないらしい。

別に気にしない。好きでも、愛してるでも、俺の気持ちは同じくらい入ってる。



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