不良の有岡について。

手の早い俺が、3ヶ月愚か半年も過ぎて哀河に手を出さなかった。
いや、出せなかったのか。

その頑張りを誰か認めてくれ。

力無く頷いて、ふにゃりと俺の鎖骨に頭を乗せる。嗚咽と呼吸音と、鼓動。

抱き締めると、やっぱり俺の方が胸囲はあると実感。

でもそのことを今話すのはやめておこう。


「…哀河」


涙を拭ってキスをする。

愛してる、めちゃくちゃに可愛がってやりたい、でもめちゃくちゃに壊してやりたい。

この空間に閉じ込めておきたい。

でも、俺はそういうキャラじゃない。


「有岡との、」

「うん」

「有岡との、子供欲しい」


あれ、哀河ってこんなこと言うキャラだっけ。



< 253 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop