不良の有岡について。

自分で言って赤面してるし。


「それで、雁字搦めにしたい」

「喜んで」

「喜んで、なの? ちょっと、動かないで」


残念ながらそれも聞けなかった。









夕方になって、弟と深沢さんが帰ってきた。

深沢さんは時間に厳しい。ちゃんと門限を守ってきたんだろう。


「おねーちゃんは?」

「ああ、昼寝中。寝てるから静かにな」

「はーい」


小さめに返事をする。深沢さんは呆れた表情た溜め息を吐いた。


「サイがね! サイがこーんなにおおきくて」

「うんうん」

「ゾウはね! こーんくらいおおきくて」


サイもゾウも大きかったのはよく分かった。



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