不良の有岡について。

そうして言われた言葉。

「中間頑張らないとね。」

「いや、勉強もそうだけど。家庭の方。」

ピクリと反応して、周りに知人が居ないのを確認する。

「…大丈夫、だけど。なに?」

怒田とは同じ中学出身。中学の時は話もしなかったのだけど、怒田は私の家庭の事情を知っていたらしい。

狭い場所で噂が蔓延するのなんて時間の問題。好奇で噂を耳にして口にする。

そんな、小さな世界で私達は足掻いていた。

「部活やってるから、手伝うなんて出来ないけど。なんか、出来ることがあれば言えよー、って。」



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