不良の有岡について。
どこに居たんだろう?ともう一度ローファーを履き直して、園庭に出る。
「鶏小屋の方に居るかもしれないわ。」
「ちょっと行ってきます。」
鶏でも見てるのかな、と考えるより先に弟の姿を見つけた。
「何やってるの?」
「あ、おねーちゃんお帰り。おにーちゃんとそうじしてんの。」
おにーちゃん、て…。
バサバサと鶏が暴れる音と共に、小屋から出てきたのは有岡。しかも鶏を手にしている。
目つきが鋭い。
「あ?どうした?」
「どうした…って、何やってるの。」
次は弟がその鶏を抱いて、羽根を撫でた。