不良の有岡について。
優しい子だ。
「今弟の言った通り、小屋掃除。そしたら、鶏触りたいっつーから。」
もう掃除は終わったらしく、弟が鶏を小屋に返す。柵の中から出て、室内にカバンを置いてきたらしい弟は、走って園内に入っていく。
その後ろ姿を二人で見た。
「有岡って子供好きなの?」
くわっ、と欠伸をした有岡に言う。
「まあ、な。」
そして続けた。
「意外だと思った?」
逆に聞いてくるから、私は考える。
「私は有岡の子供好きそうな所しか見てないから、あんまり意外じゃないかも。」