不良の有岡について。

答えると、キョトンとされた。

何か、変なことを言っただろうか。

「…確かにな。なんか馬鹿みたいに素出してるよな。」

「馬鹿みたいにっていうのは分からないけど、悪くないよね。」

弟がバタバタと走ってこっちへ来る。速度を落とすことなく、私に体当たりした。

哀河超好かれてるよな、とケラケラ笑われる。

有岡に呆れた視線を送りながら、弟と手を繋いで幼稚園を出る。あ、先生に挨拶するのを忘れた。

今度挨拶しよう、と決めて帰路につく。

「んじゃあ、俺あっちだから。」

家の前まで来てから、有岡は手を上げた。



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