不良の有岡について。
ドキリとした。
ときめいたじゃなくて、核心を突かれたというドキリ。
「そうかもね、今のは不謹慎だった。」
リモコンを離す。
「有岡って、付き合ってる人、居るんじゃないの?」
それでも、有岡の手は離れない。私は顔を見た。
「…居るけど。」
「なのに、ここに来てる。確かに弟に会う為に来てる、けど学校で私に話しかけるのは可笑しいでしょう?」
私は少しばかり怒っていることに気づいた。
自分の感情にも鈍くなるなんて。
…何に怒ってるかなんて、すぐに想像出来るのに。
「なにしてるの?」