不良の有岡について。

野菜炒めが冷めてしまう気がして、話しかける。

「廿楽は私に珍しいって言ったけど、私も珍しいと思ったよ。大体の女子を嫌いな廿楽を、そこまで嫌いにさせたのってどうして?」

顔を覗き込む。すぐに普通の顔に戻った。

箸でキャベツをつまんで、ご飯に乗せる。おお、男子っぽい。

「あたしからね、嫌われるのは簡単なの。別に、悪口とかリンチとかそういうのには寛大なんだけどね?」

「すごい寛大。」

「でしょ?でも、ひとつは。」

人差し指を立てる。ご飯はまだ食べないらしい。私はクリームの所を口に放り込んだ。



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