不良の有岡について。
廿楽は言葉を続けた。
「あたしの楽しいことを妨げること。」
ふたつ、と中指を次は立てる。
「あたしの大切なものを傷つけたり、盗ったりすること。」
にこにこと笑顔だけど、笑っていない。なるほど、由比さんは廿楽にとっての禁忌を侵してしまったらしい。
「で、あの女はあたしの彼氏盗ってったの。ケロッとした顔で、その時何て言ったと思う?」
次はグサグサとご飯をつつき始めた。
想像も出来ずに首を横に振る。
「『盗られるのが悪いんでしょう?』って!
取る方が悪いに決まっとるわ!!」
「廿楽、なんか方言出てるし、静かに食べようよ。」