不良の有岡について。
ケラケラと怒田の部活仲間から、笑い声が聞こえる。この二人が揃うと漫才しているみたいだと、誰かが言ったのを聞いたことがあった。
廿楽に手を引かれて、その場から遠ざかる。結局、怒田とは教室でまた会うんだけど。
教室に戻って、教科書を開く。範囲が広すぎる。夏休みを目前にして、これは酷い。
窓から入る風にパラパラとページが捲られる。
冷房も入っているし閉めようと立ち上がって、鍵に手をかけようとした。
瞬間に、それよりも少し早く、窓が割られるかと思うほどの力で手が窓に置かれた。