不良の有岡について。
だからって、他人の弟に会いにわざわざ…。
「最初に会った時も、一人だったんだよ。俺も小さい時、園で親待ってる組だったから。」
周りの親が迎えに来るの見て焦ってた。
そう続けた有岡は懐かしいような、寂しいような、そんな顔で言う。その隣の弟はアニメを見ながら、しーっと唇に指を当てながら有岡を見た。
悪い悪い、と謝って音量を下げた声で言う。
「それに、俺も姉貴が迎えにくることが多かったから。」
「…有岡って、ギャップ萌えみたいのを目指してるの?」
アニメのエンディングが流れる。私も洗い物が終わる。