不良の有岡について。
ギリノアネキ。
聞くからに、複雑な関係なのだと感じる。そこに触れて欲しく無い人間だって、世の中には沢山居る。
もしも、私がその立場に居たら、絶対に干渉しないで欲しい。
でも、有岡は違った。
「異母姉弟ってやつ。今の俺の父親が、姉貴の前の父親で。」
パッと手が離された。
有岡は耳を触りながら視線を少しだけ下げる。
「お前も知ってるだろうけど、あんな性格だからすげー仲良くしてくれるし。」
「…うん。」
「別に、ドラマとかでよくあるドロドロな関係はねぇから。んな顔すんな。」
つん、と額をつつかれた。