不良の有岡について。

唐揚げをさっさと揚げて早めの夕飯にした。ゴールデンタイムのアニメを見ながら弟がアニソンを口ずさむ。

その隣に有岡が座る。

背中が似ている。弟の背中も、将来あんなに広くなるんだろうか。

茶髪になったり、ピアスを開けたり、彼女が出来たり。


「おねーちゃん、アイスかってきてくれた?」


くるりと弟が振り返る。

うん、と頷くと、歩いて冷蔵庫の前に来た。グレープを三本取って、ひとつを私にくれる。


「いっしょにたべよう。」


心配されてるなぁ、私。

うん、とさっきから赤べこの如く首を振った私に微笑む弟。



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