不良の有岡について。

弟を挟んで、有岡と並んだ。

「ありがと。」

有岡もグレープ味のアイスを咥えて笑う。

アニメがもう一作続いて、突っ込みどころが満載だったけど、弟が真剣に見ていたから、二人とも黙っていた。

前は、この時間に私はお風呂掃除か課題をやっていたから、一緒にテレビを見るなんて時間無かったなぁ。

「これ、紫になるかも。舌出してみ。」

有岡が言った。私と弟の両方が出した。

それを見て笑った。

「どっちも紫。」

「あ、ほんとだー!」

ちゃんと見てくる!と鏡を取りに行った弟がリビングを出て行き、二人きりになった。



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