不良の有岡について。
返事がくるのが、ヤケに遅く感じた。でも多分、遅く感じただけだったと思う。
「断った。よく知らねー奴と行ってもつまんねえし。」
大きい肩をアッサリと竦めた。
弟が私の肩に掴まって、行こうよーと駄々をこね始めた。嗚呼、これは行かなきゃいけなくなってしまった。
溜め息を吐きつつ、
「じゃあ、行こっか…。」
と言えば、弟と有岡の満面の笑みを見ることが出来た。
「哀河って水着持ってんの?」
「は?」
放課後一番に言われた言葉に返す。
廿楽は難しそうな顔をしていた。