不良の有岡について。
いやねー、と続ける。
「哀河が水着着てんのが想像出来ないってゆーか、なんかスク水着てきそうなってゆーか…。」
「水着もってないし、着てかないし。」
「はぁ!?何しに海来んの!?」
声が大きいです廿楽サン。
廊下に居た数人がこっちを振り返った。
外はすっかり西日がさしている。弟が園庭でまっている、のを思うと、早めに学校を出なくちゃならない。
「ごめん、今日も急いでるから。」
「じゃあ明日お店の新作水着持ってくるから、ちゃんと着てくるんだよ!」
「うん…うん?」
そういえば、廿楽は水着専門店みたいなところのアルバイトもしていたなあとぼんやり思い出した。