不良の有岡について。

翌日、押し付けられた水着を持って帰るハメになった。

プレゼント、と言って渡す廿楽の後ろから「着ないと泣くぞ」というオーラが出ていた。

「おねーちゃん、そのふくろなに?」

目敏く弟に見つけられた。夕飯を食べにきていた有岡も同じ方を見る。

「それ、は…!」

「なにこれ?」

「水着だろ水着。」


バンッと袋を叩き落とす。私が拾うよりも早く拾ったのは有岡。


「このピンクのドットが良い。」

「着ないし。」

「えーおねーちゃんおよがないの?」


不平不満の声が飛び交ったけど、無視。



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