不良の有岡について。
怒田が溜め息を吐きながら、廿楽の隣に腰を下ろす。
「ちょっと、あたし達の幸せも逃げそうな溜め息吐かないでよ。てゆーか、隣に座んな!」
「ありえねー、夏休みの部活日程が鬼畜。」
健康的に焼けた腕が、定食のお味噌汁のお椀を掴む。もう半袖を着ているし。
「海行く暇も消えた。」
「来年は引退だから仕方無いんじゃないの?」
「それ言ったら、受験生だろ?ってことは海どころじゃもっとねーよ。」
深い溜め息を吐く。
こんなに落ち込む怒田を見るのは初めてかもしれない。
廿楽は黙っている。