不良の有岡について。
トモダチダカラ。
廿楽の口がきゅっと結ばれる。
泣きそう。
そう思った。既に目は潤んでいた。
「サンキュ。」
「ああ。」
怒田は受け取ってお礼を言う。
「あ、有岡にそんなこと、言われなくても分かってるし!」
ガチャン、と廿楽が立った拍子にテーブルが揺れる。食べかけのうどんの汁がトレイの中に放り出た。
慌てて怒田が台ふきで拭う。
私は追った方が良いかなと思いながら廿楽の後ろ姿を見ていた。
食堂内の視線がこっちに集まっている。
結局、私は動くことも出来ずに、そのままキウイメロンパンを食べ続けた。